更年期のイライラ解消に役立つハーブと活用法
ハーブのある暮らしで、毎日に彩りを。
ハーバリスト 岩橋たか子先生が綴るコラム「ハーブの庭」。
季節のハーブのおはなしやアレンジレシピなどをご紹介。
今回は、更年期のイライラ解消に役立つハーブのおはなしです。
更年期は心と体の転換期
更年期は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に減少することで、自律神経や心身のバランスが崩れやすくなります。その結果、イライラや情緒不安定、不眠などが起こりがちです。
自律神経の乱れやストレスが影響すると、どうしても穏やかに過ごすことが難しくなりますよね。「薬を飲むほどでもないけど落ち着かない。」、「不安な気持ちで落ち込んでしまう…。」そんな時は、ハーブティーの出番です。
ゆっくりハーブティーを淹れて、色や香り、味を楽しむことは、実は五感を使って緊張したココロやカラダを緩めてくれる一連の作業になります。さらに、ハーブの成分のひとつである「香り」を取り入れることで、心が落ち着いて、自律神経にも作用し、更年期特有の不調を和らげてくれるでしょう。
更年期のイライラにおすすめのレモンバーム

更年期のイライラを緩和するには、ホルモンバランスを整えることが大切です。リラックスできるハーブは、ホルモンバランスを整えるのに効果的です。
数あるハーブの中でも特におすすめなのは、気持ちを落ち着かせるレモンバームというハーブです。レモンバームは、不安や緊張を和らげる効果があると言われています。
レモンバームはペパーミントやスペアミントと同じシソ科のハーブで、名前の通り、レモンのような爽やかで甘い香りが特徴。「穏やかなトランキライザー(精神安定剤)」とも呼ばれ、緊張によるイライラや不眠、消化器系の不調にも適用される優れもののハーブです。
お湯で抽出して温かく香りが広がるレモンバームティーを、楽しみながら、ゆっくりと飲んでください。広がる香りにココロとカラダが緩んでいくのを感じることができるでしょう。
レモンバームは、プランターでも育てやすい人気のハーブのひとつです。自分で育てて、摘みたてをフレッシュティーにしても、香りが良く美味しく飲むことができますよ。
香りでリラックス-芳香浴にチャレンジ

ハーブティーを熱湯で淹れてしばらくすると、心地よい香りが広がります。この香りの正体は「精油成分」で、ハーブの植物化学成分のひとつです。リラックス作用を期待されることが多いですが、抗菌・抗ウィルス作用を利用して、虫よけスプレーや抗菌スプレーづくりができます。また、その優しい香りを活かす方法として「芳香浴」があります。
芳香浴は、ハーブの香り成分を呼吸(肺)と肌から取り込むリラクゼーション法です。心を落ち着かせるだけでなく、自律神経を整え、ストレスを和らげる効果があります。
芳香浴に使用するハーブには、目的とする作用をもつハーブはもちろんのこと、賞味期限が過ぎたハーブティーやブレンドがもしご自宅にあれば、それをそのまま使うこともできます。庭やプランターに香りが良いハーブたちがあれば、それをそのまま使ってもいいですね。嗅覚だけではなく視覚からも、リラックス効果が得られそうです。
芳香浴の準備と手順
①ハーブと洗面器を用意する
用意するハーブはドライでもフレッシュでも大丈夫です。1回分の目安は洗面器やボウルにお湯を注いだ時にお湯一面に広がる程度。
②ハーブにお湯を注ぐ
洗面器やボウルにハーブを入れ、沸かしたてのお湯を直接ハーブに注ぎます。この時、火傷をしないように注意しながら、ゆっくりとお湯を注いでください。
立ち上る蒸気から、心地よい香りを楽しみますが、冬の時期なら加湿効果もあるので、香りとともに潤いも感じてくださいね。
③潤いのあるお肌に「フェイススチーム」
芳香浴だけでなく、顔を近づけて深呼吸すればフェイススチームにもなります。お肌の乾燥が気になるときに肌に潤いを与えてくれます。
※フェイススチームの時は、お湯を注いで一旦蒸気が落ち着いてから顔を近づけるようにします。
④お湯から立ち上る香りをゆっくりと吸い込むように深呼吸
目を閉じながら5~10分程度行います。この時、バスタオルなどを頭から被ると香りや蒸気が逃げません。
ゆっくりお風呂に入りながら、行ってもリラックスして落ち着いた時間を過ごせるでしょう。
素敵なハーバルライフを