更年期の体重増加におすすめのハーブ
ハーブのある暮らしで、毎日に彩りを。
ハーバリスト 岩橋たか子先生が綴るコラム「ハーブの庭」。
季節のハーブのおはなしやアレンジレシピなどをご紹介。
今回は、更年期にみられる体重増加にオススメしたいハーブのおはなしです。
更年期の体重増加 その原因は?
更年期に入ると、これまでと違って太りやすくなった、増えた体重が中々元に戻らない…と感じる方も多いのではないでしょうか?
更年期における体重増加の原因は、病気によるもの以外では大きく二つ考えられます。まず「加齢に伴う筋肉量の減少」、そして「女性ホルモンの分泌減少などによって起こる身体の調節機能の低下」です。
ハーブを体調管理で活用する時は、必ず原因がどこから来るのかを理解した上で対処法を考えてハーブを選択するのですが、今回も同様にメカニズムと対処法から皆様のお役に立てるハーブをご紹介します。
筋肉量が減ると、基礎代謝量が減少してしまいます。この基礎代謝とは、人が生きていくうえで消費される必要最小限のエネルギー代謝量のことで「全く動かない状態で消費されるカロリーの量」です。加齢とともに筋肉量が減少すると、基礎代謝量も減り、その結果太りやすくなってしまいます。
また、女性ホルモンのエストロゲンは脂質代謝に関連しており、コレステロールを適切に調節してくれています。閉経してエストロゲンが減少すると、悪玉コレステロールが上昇しやすくなり、食生活や年齢因子とは別に内蔵型肥満になりやすいといわれています。
生活習慣病改善のハーブが「糖質」と「脂質」に働きかける!
更年期であっても、体重増加のメカニズムは同じです。摂りすぎた糖質と脂質は血中で結びついて中性脂肪になり体内に蓄えられます。食べ物が消化され最小の分子(単糖類)に分解された時点で血中に吸収されますが、この時のカラダの状態は「血糖が上がる」ということです。
この血糖上昇を妨げる成分を持つハーブが「マルベリー」です。マルベリーはクワチャ(桑茶)の事。含まれている成分が血管への糖の吸収を妨げる働きをします。
最近では、この成分が注目されメディアで紹介されることが増えてきました。
マルベリーティーは熱湯で淹れて食前に飲むのが最適です。日本茶に似た味なので私たち日本人にも飲みやすいハーブティーとなっています。しかも、ノンカフェインで沢山のミネラル分やリラックスに関係するGABAという成分も含有しているので夜のリラックスタイムに飲んでも睡眠に影響を与えません。
最近だと抹茶ラテが流行していますが、同じようにミルクと作るマルベリーラテもリラックスにお薦めの飲み方となります。※この場合はマルベリーの粉末を使います。
脂質は胆汁で分解されますが、その胆汁分泌を促す植物化学成分の代表選手がカフェインです。また、脂質やたんぱく質、糖質の代謝にビタミンやミネラルが必要になります。
「飲むサラダ」と呼ばれる「マテ」は、コーヒーや紅茶に並ぶ世界三大ティーのひとつで、有名なサッカー選手のメッシもインタビューで薦めていたハーブになります。カフェインを含んでいるため、日中の活動時、運動時に飲用するのがお薦めです。但し、カフェインは摂りすぎると肝臓に負担をかけるため、カフェインが気になる人は水出しをお薦めします。
夏にお薦めハーブティーの冷浸茶(水出しティー)
今年もさらに猛暑が予想されています。熱中症対策に、こまめな水分補給は欠かせませんが、ハーブティーは抗酸化作用のフラボノイド成分やビタミン、ミネラルが多く含まれ、水分補給に最適な飲み物です。ハーブに含まれる多くの成分は熱湯で抽出されるため、常温の水より熱湯で抽出したものを常温、または冷やしてお飲みください。
コーヒーや緑茶のように水出しにするとまろやかになるのは、カフェインが抽出されないため。「カフェインは不要!」という場合は、水出しにして飲みましょう。焙煎しているマテは香ばしい味、焙煎していないマテは緑茶の様な味になります。
マテの冷浸剤(水出しティー)
【材料】(100ml分量)
・マテドライハーブ 10g
・常温の水 1000ml
※水温は常温~60℃くらいまでがお薦め。この場合、カフェインは抽出されません。
・保存瓶 ※煮沸消毒しておく
【作り方】
① マテドライハーブをお茶パック(不織布)に詰める。
② 煮沸消毒しておいた保存瓶(ボトル)に①のハーブを入れ、常温の水を注ぐ。※抽出時間は6~8時間ほど。
【ご注意】
冷蔵庫で保存してもいいですが、熱湯で抽出していない場合は雑菌が繁殖しやすいため、一日で飲みきることをお薦めします。
夏も上手に抗酸化のハーブを取り入れてくださいね。
素敵なハーバルライフを。