更年期の喉の乾きやイガイガに、おすすめのハーブ
ハーブのある暮らしで、毎日に彩りを。
ハーバリスト 岩橋たか子先生が綴るコラム「ハーブの庭」。
季節のハーブのおはなしやアレンジレシピなどをご紹介。
今回は、ハーブでできる更年期の喉ケアのおはなしです。
更年期の女性に多いドライマウス

更年期の女性に多いドライマウスの悩みは、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌減少に起因するものです。
この更年期にみられるドライマウスは、加齢に伴うホルモンバランスの変化によって唾液量が減少するために起こる症状ですが、一方で唾液腺は自律神経に支配されていることから、ストレスによって交感神経が優位に働くことでも、ホルモンバランスを崩す原因となります。
これにより唾液の分泌が抑制されることで、口の乾きや喉のイガイガとした違和感・痛みなどを引き起こすことになります。
唾液には免疫に関係するウィルスや細菌にダメージを与える役割もしているため、ドライマウスは不調を感じた時点で対処するのが健康を守る秘訣になりそうですね。
喉の粘膜に働きかけるハーブ「エルダーフラワー」

そんな喉の粘膜に働きかけるハーブは「エルダーフラワー」。インフルエンザの特効薬としてヨーロッパでは予防や免疫回復に大活躍しているハーブです。
またの名を「フラボノイドの女王」。粘液質を多く含み、フラボノイドの消炎作用、血流を促すなど多様な作用が昔から使い続けられている理由です。
エルダーフラワーは即効性があるといわれ、粘液質による喉の違和感を緩和してくれるでしょう。
甘いハーブですが、少し癖があるので、カモミールや他のリラックス系のハーブとブレンドすると飲みやすくなります。熱湯で淹れて温かいうちに飲みましょう。
お子さんには温めたリンゴジュースなどで割ってもいいですよ。
さらに、フラボノイドの効果で血流が促進され副交感神経が優位になることで、自律神経のバランスも整えてくれるでしょう。
イギリスでは家庭の常備薬としてエルダーフラワーを発酵させて作るコーディアルがあります。
日本でも発酵はさせていないですが、シロップ剤として販売されています。
シロップ剤は糖分が気になるので、体調を整えるために活用するエルダーフラワーは、ハーブティーで温かくして飲む方がより効果的です。
キッチンハーブ「タイム」が「うがい薬」に!

エルダーフラワーとブレンドしても効果的な「タイム」は、普段は魚などの料理に香草として使われていますね。
ドイツではタイムは喉の不調のファーストチョイスのハーブとされており、フラボノイドやサポニンの成分作用で咳や痰を鎮めます。
タイムだけでも効果的ですが、エルダーフラワーとブレンドして、温かいうちに飲むといいですよ。
また、タイムを濃くして熱湯でしっかり抽出し、ある程度冷めたあとにうがいをすると、引っかかっていた痰がスッと出せるのを実感できるほどの優れものです。
市販のうがい薬もいいですが、もし自宅にタイムがあればスパイスあるいはフレッシュハーブのどちらでも大丈夫です。試してみてくださいね。
育てやすいハーブなので、沢山収穫した時に乾燥させて保存しておくと、喉ケアに大活躍しますよ。
素敵なハーバルライフを。