女性ホルモンとは?エストロゲンとプロゲステロンの働きについて
女性なら何となく知っているようで、実はあまり詳しく学ぶ機会のない女性ホルモンの働き。
乾燥などの肌トラブルに加えて、PMS(月経前症候群)や更年期といった女性特有の不調には、女性ホルモンのバランスが深く関わっています。
毎日の美容と健康のためにも、まずは女性ホルモンについて正しい知識を身につけたいですね。
この記事では女性ホルモンの基礎知識についてお話していきます。
女性ホルモンバランスプランナー®の石井理夏(あやか)
女性ホルモンには2つの種類がある
女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、脳からの指令を受けて卵巣から分泌されています。
エストロゲンは、排卵前までに分泌量がピークを迎える女性ホルモンで、プロゲステロンは、排卵後に分泌量が増加する女性ホルモンです。
この2つの女性ホルモンのリズムが正常な場合は、28日周期で生理を迎えます。
また、このホルモンのリズムに合わせて、心と体に変化が起こる場合もあります。
女性の心と体に深く関わりのある女性ホルモンですが、女性が一生のうちに分泌する女性ホルモンの量は、わずかティースプーン1杯程度。
毎月の女性ホルモンのリズムは、とても微量で繊細なバランスの上に成り立っているのです。
エストロゲン(卵胞ホルモン)とは?
エストロゲンは、女性らしさをつくるホルモンです。
乳房が大きくなったり、丸みを帯びた女性らしい体つきになったり、肌が潤ったりするのは、このホルモンのおかげ。
月経を起こし、妊娠・出産を成立させます。
肌や髪をきれいにする、骨や血管を守る、自律神経を安定させる働きもあります。
エストロゲンの働き
●髪をつやつやにする
●物忘れを予防する
●肌を潤す
●太りにくくする
●コレステロールのバランスを調整する
●血管を強くする
●骨を強くする
性成熟期の女性がキレイで若々しくいられるのも、高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかりにくいのも、このエストロゲンのおかげといっても過言ではないのです。
プロゲステロン(黄体ホルモン)とは?
プロゲステロンは、お母さんになるためのホルモンです。
排卵前までのピークになり、受精卵の着床しやすようにエストロゲンで厚くなった子宮内膜を維持して、妊娠を助けます。
体温を上昇させる、水分をため込む、皮脂分泌が活発になるなどの効果があります。
プロゲステロンはエストロゲンの過剰を抑え、子宮がんや乳がんのリスクを軽減してくれる働きもあります。
妊娠のためには大切なホルモンですが、その一方でむくみや便秘、肌荒れなどの不快な症状を引き起こすこともあります。
女性ホルモンはバランスが大事
2つの女性ホルモンの役割を知るとやはり女性らしさをつくる「エストロゲンがたくさんあるといいな!」と思ってしまいますよね。
でも、プロゲステロンにはエストロゲンのマイナス作用を打ち消してくれる働きがあり、エストロゲンが過剰になりすぎることによる子宮がんや乳がんのリスクを軽減してくれています。
プロゲステロンは妊娠をしていなくても大切な役割があり、なくてはならない存在なのです。
最近では、エストロゲンを補充することで女性ホルモンは整えられると思い、豆乳や大豆をたくさん摂ろうとする人も多いのですが、エストロゲンが多すぎると子宮がんや乳がん、子宮内膜症などのリスクが高まります。
女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンのバランスがとても大切なのです。