生理前、喉がイガイガしたり痛くなるのはなぜですか?
生理前になると、喉がイガイガして扁桃腺が腫れるような感覚があります。
毎回「風邪かな?」と思いながらも、生理が始まると、不思議と喉のイガイガも痛みも治まるんです。
この喉のイガイガは、生理と何か関係があるのでしょうか?

生理前になると、喉がイガイガすることがあるとのご相談ですね。
この生理前の扁桃腺の腫れや痛み・喉の違和感は、「PMS(月経前症候群)」の症状の一つだと言われています。
生理は毎月のことですから、もし、毎月のように同じような喉の痛みを感じていらっしゃるなら、ご自身でケアできるといいですよね。
では、どうして生理前に喉がイガイガしたり、扁桃腺が腫れるようなことが起こるのか、その原因とセルフケアについて、お話しますね。

生理前の喉のイガイガ その原因は?
生理前の喉のイガイガや扁桃腺の腫れの原因として挙げられるのが、免疫力の低下です。
免疫力が低下することで、ウイスルや細菌などに感染しやすくなり、扁桃腺に炎症が起きてしまうことが考えられます。
扁桃腺が弱い方は特に、生理前に起こる免疫力の低下には気をつけたいですね。
ではどうして、生理前に免疫力が低下してしまうのでしょうか?
生理前に免疫力が低下してしまうのには、主に次の2つの理由が挙げられます。
プロゲステロン(黄体ホルモン)の働き
生理前、私たちの体内では女性ホルモンのバランスが劇的に変化します。この時期に特に分泌量が増加するのが、プロゲステロン(黄体ホルモン)と呼ばれる女性ホルモンです。プロゲステロンは、妊娠が成立した場合に備えて、子宮を「妊娠の準備」へと導く大切な役割を担っています。
けれども、この妊娠準備のプロセスには、実はかなりのエネルギーと栄養が必要になります。それは、体の中で一大プロジェクトを進めるようなものです。
そのため、体はいつもよりたくさんの栄養を使い果たし、結果的に免疫力が低下しやすい状態になると考えられています。
つまり、生理前は子宮の大切な準備にエネルギーが消費されてしまい、体の防御力が普段よりも手薄になっているような状態。生理前にいつもより風邪を引きやすかったり、ちょっとした不調を感じやすくなるのは、このためなのです。
自律神経の乱れ
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、この2つのバランスが保たれることで、免疫機能は正常に働きます。
ところが、生理前はホルモンバランスの変化が大きく、自律神経が乱れやすい状態になっており、免疫機能が低下しやすくなっています。
それに加えて、生理前の自律神経の乱れは、イライラなどの精神的な不調の原因ともなるため、コントロールできない感情を抱えて、普段よりもストレスを溜めやすくなっています。
そしてこのストレスが、さらに免疫機能を低下させてしまう原因になると言われています。
生理前の喉のイガイガをセルフケアしましょう
生理前の喉のイガイガや扁桃腺の腫れ・痛みをケアするには、具体的に何をすればよいのでしょうか?
免疫力をケアする食べ物や、自律神経を整える方法など、今日からすぐに始められるセルフケアを、いくつかご紹介しますね。
免疫力を整える食事で内側から強く
納豆

納豆に含まれるアルギニンには、免疫力に関わりのある成長ホルモンの分泌を増やす働きがあります。
特に、納豆に含まれているアルギニンは、体に吸収されやすいといわれています。
バナナ

バナナには免疫細胞を増やす働きをもつオイゲノールという成分が含まれています。
また、バナナに含まれる豊富な食物繊維は、腸内環境を整える働きがあることから、生理前の便秘解消にも効果的です。
生姜

ヒトは、体温が1度下がると、免疫力が30%ほど低下するといわれています。
生姜に含まれるショウガオールという成分は、体温を高める働きがあります。
また、生姜に含まれるジンゲロールという成分には、免疫細胞である白血球を増やして免疫力を高める働きがあります。

料理研究家 宮成なみ先生考案のネギと生姜の大根スープは、10分でできる簡単レシピです。
喉のケアに、ぜひ作ってみてくださいね。
質の良い睡眠でホルモンと自律神経を整える
眠っている間に分泌される成長ホルモンは、疲れを回復させて心や体の修復を行います。
また、成長ホルモンの分泌によって、感情の整理が行われるので、ストレスが緩和されて、免疫機能が高まると言われています。
成長ホルモンは眠り始めの3時間の深く眠っている時間に、大量に分泌されています。浅い眠りの時間では、成長ホルモンはほとんど分泌されません。
つまり、就寝を開始してからの3時間で、いかに良質で深い睡眠をとることができるかが、成長ホルモンの分泌に関わる重要な鍵となります。
良質な睡眠のためには、リラックスが欠かせません。
けれども、蛍光灯やスマートフォンなどの強い光は、脳を刺激することから、リラックスの妨げとなってしまいます。
就寝前はスマートフォンの使用を控えて、間接照明やキャンドルを灯すなど、柔らかい光の中で過ごす時間を設けてみてください。
また、ゆっくりと湯船に浸かったり、ヨガで心を落ち着けるのもいいですね。
就寝前に、心と体をリラックスさせてあげる時間をつくってみましょう。
PMS改善ナビゲーターとしてヨガインストラクターを務める中村あいさ先生による、良質な睡眠のためのヨガポーズ「ガス抜きのポーズ」をご紹介します。
就寝前のリラックスタイムに、ぜひ、取り入れてみてくださいね。
ハーブでストレスケア

免疫機能を低下させるストレスには、ハーブを使ったケアがおすすめです。
カモミール、リンデン、レモンバーム、パッションフラワーといったハーブは、心を鎮めてリラックスへと導いてくれるハーブです。
生理前の喉の痛みは、体が私たちに送る大切なメッセージです。
生理前の不調を感じていたら、心身を休ませるサインだと思って、無理なくセルフケアを取り入れてみてくださいね。
この情報が、あなたの生理前の不快な症状を少しでも和らげる一助となれば幸いです。

