更年期の症状で悩んでいます。プラセンタ注射を考えていますが、効果はありますか?
今回は、更年期の症状で悩んでいるという49才のお客様からご相談をいただきました。
最近、更年期と感じる不調が続いていて、プラセンタ注射を検討しているのですが…。
特に、どういった更年期の不調を感じていらっしゃいますか?
急に顔が火照ったり、汗をかいたりすることが起こるようになりました。
おそらくホットフラッシュという更年期の症状かと思いますが、これに特に悩んでいます。
というのも、私は接客業なので、お客様の前でも急に汗が出たりして、すごく困ってるんです。
更年期のホットフラッシュに悩んでいらっしゃるのですね。
予測できない急な発汗や火照りは、おツラいですよね。
はい…。
他にも、体がずっしりと重たくて、寝ても疲れがとれません。
無気力というか、何もしたくない気持ちになったり…。
日常生活に支障が出ることもあって、そんな自分にイライラしたり、家族に当たってしまうことも。
気分の浮き沈みが激しくて、いつも自己嫌悪です。
常にだるさを感じたり、体が重く感じるのも、更年期の不調の一つですね。
イライラしたり、気分の浮き沈みが激しくなるなど、精神的に不安定になるのも、更年期の特徴です。
これらの更年期特有の不調は、女性ホルモンの減少や自律神経の乱れが影響しています。
接客業をしている手前、すぐにでもこの症状を何とかしたいと思っていて。
ネットでいろいろと調べていたら、更年期にはプラセンタ注射がいいと知ったんです。
プラセンタ注射は、更年期に効果があるのでしょうか?
それでは、更年期障害の治療として用いられるプラセンタ注射について、その効果や確認しておきたいポイントなどを、詳しくお話しますね。
プラセンタ注射とは?
プラセンタとは胎盤のこと。
化粧品やサプリメントなどに配合されているプラセンタは、豚や馬・羊などの胎盤から有効成分を抽出したプラセンタエキスが原料になっています。
更年期障害の治療に用いられるプラセンタ注射は、ヒト由来の胎盤から抽出されたプラセンタエキスが原料となっており、医療機関でのみ投与が可能です。
プラセンタ注射には2種類ある
プラセンタ注射の注射剤には、「メルスモン」と「ラエンネック」の2種類があり、いずれも厚生労働省から医薬品として認可されています。
更年期障害の治療に用いられるのは、メルスモン社製の「メルスモン(注射剤)」です。
1)メルスモン(注射剤)-メルスモン社製
効能・効果:更年期障害・乳汁分泌不全
2)ラエンネック(注射剤)-日本生物製剤社製
効能・効果:慢性肝疾患における肝機能の改善
なお、更年期障害などの治療として提供されているメルスモン注射剤については、2024年2月中旬頃まで事務的な手続きのために出荷停止となっており、長期的にメルスモン注射剤が供給できない状況になっています。
そのため、更年期障害でプラセンタ注射を検討している方は、ホルモン補充療法や漢方療法などのプラセンタ注射とは別の治療方法も検討されてみてくださいね。
プラセンタ注射の更年期への効果
プラセンタ注射には、更年期の不調に対して、次のような効果が動物実験などから認められています。
- ホルモンバランスを整える作用(内分泌調整作用)
- 自律神経のバランスを整える作用(自律神経調整作用)
- 基礎代謝を上げる作用
- 血行を促進する作用
- 疲労回復する作用
- 免疫力を活性化する作用
- 体質改善作用
プラセンタ注射を定期的に投与することで、上記を含めたさまざまな作用が複合的に働き、更年期の不調緩和に作用していきます。
更年期以外でのプラセンタ注射の効果
プラセンタ注射は、更年期障害の治療薬としてだけでなく、さまざまな医療現場で治療薬として用いられており、次のような効果が認められています。
- 老化の原因となる活性酸素を除去する作用(活性酸素除去作用)
- シミ、シワ、ニキビなどを抑制し、美白を促す作用(美肌促進作用)
- 肝臓の働きを強化する作用(強肝・解毒作用)
- 乳汁分泌促進作用
- アレルギーを抑える作用
医療機関では、自律神経の調節、生理痛の緩和、肝機能の改善等の治療を目的として、プラセンタ注射が使用されています。
また美容クリニックでは、シワ・シミの予防・美白・アンチエイジングなどを目的として、プラセンタ注射が使用されています。
プラセンタ注射を受ける際の注意点
更年期障害の治療を目的としてプラセンタ注射を投与する場合は、保険適用されますが、保険適用の対象は45歳~59歳の女性に限られています。
また個人差はありますが、プラセンタ注射の効果を保つために、週に1~3回程度、定期的にプラセンタ注射を継続する必要があります。
そのため、定期的な通院に対して時間的な余裕を考慮しておく必要があるでしょう。
その他、プラセンタ注射をすると献血ができなくなるので、定期的に献血を行っている方は注意が必要です。
詳しくはこちらの厚生労働省の記事を参考にされてみてください。
LINK→厚生労働省:ヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用者の献血制限について
実は、私自身もプラセンタ注射を体験したことがあるんです。
その時の体験談をまとめてありますので、ぜひ読んでみてくださいね。
参考文献
・著者:吉田健太郎「プラセンタ療法と総合医療」2006年2月1日
・著書:景山司「プラセンタ医療の現場から」2010年2月26日
・著書:吉田健太郎「体にやさしい実践プラセンタ療法」2006年7月10日